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啄木転々
 
 
しらしらと氷かがやき
千鳥なく
釧路の海の冬の月かな
 


三月の釧路
 
 

 「朝、向ひの笠井病院の看護婦梅川操といふ女から手紙が来た」(3月10日日記) この朝の手紙から、いわゆる「三尺事件」がスタートします。「三尺」とは、啄木が「三尺ハイカラ」と綽名をつけた小菅まさえという地元名士の娘。啄木に恋いこがれる彼女を思って、友人の梅川操が仲介の手紙を届けたのでした。でも、全然啄木は相手にしません。そうこうする内に、「三尺」は日記から自然に消えて行くのですが、今度は梅川操の名が日記に急浮上してくるのです。

 啄木の釧路は「小奴」があまりにも有名ですが、日記をよく読み考えてみると「小奴」よりは「ミサホ」の方が遥かに重大。啄木の釧路脱出〜東京への転回点の鍵を握っているのは彼女ではないか。

 

 
 
梅川ミサホ