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啄木転々
 
 
わが妻に着物縫はせし友ありし
冬早く来る
植民地かな
 


十月の小樽
 
 

 「一天朗らかに晴れて風なく、心気爽々たり、小樽日報初号発刊の日」。(10月15日日記)。

 10月1日、小樽日報社に初出社し、野口雨情たちと編集会議に臨んでから2週間。とうとう、ここに、小樽日報の創刊号が発行されました。得意満面の啄木の笑い声が聞こえてくるような10月15日の啄木日記ではあります。刷り上がった新聞を楽隊を先頭に立てて配達。夜は社長招待で静養軒にて祝宴。「七時半、職工一同楽隊と共に提灯行列を初め、静養軒前に来て万歳を連呼」だそうです。啄木たちも街頭に飛び出して一緒に市中を練り歩いたそうで、なんとも大騒ぎの一日でしたね。北海道に来て初めて手を染めた新聞記者という商売。函館日々も北門新報もバイト感覚だったのに比べ、今回の小樽日報はかなり本格的な新聞記者です。いろいろ感じ入るところがあったのでしょう。

 

 
 
小樽最初の啄木一家住居