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啄木転々
 
 
しんとして幅広き街の
秋の夜の
玉蜀黍の焼くるにほひよ
 


九月の札幌
 
 

 函館大火で焼け出された啄木は、仕事を求めて単身札幌へ向かいます。しかし、この「札幌」という選択は、別に啄木ならではのアイデアというわけではありません。当時、大火で函館での生活を奪われた3千人を越える人たちが、人口の面でも小樽を抜き去り大躍進中の新興都市「札幌」を目指して押し寄せたのでした。

 明治40年9月14日の午後1時すぎ、札幌停車場に降り立った啄木も日記に「今札幌に貸家殆んど一軒もなく下宿屋も満員たりといふ」と書いていますね。函館大火はいろんな人たちの人生を変えたのです。札幌の啄木、もうひとつの大事件。それは野口雨情との出会いでしょう。九月の終わり頃、雨情とともに啄木は慌ただしく今度は小樽へ向かいます。

 

 
 
野口雨情