Welcome to SWAN 2001 Homepage

啄木転々
 
 
潮かをる北の浜辺の
砂山のかの浜薔薇よ
今年も咲けるや
 


六月の函館
 
 

 明治40年6月11日、啄木は、友人吉野白村の世話で、函館区立弥生尋常小学校の代用教員の職を得ます。月給12円。5月中やっていた函館商業会議所の仕事はやめてしまいました。あまりにも退屈な仕事で性に合わなかったのかもしれませんね。弥生小学校で橘智恵子たちを知る。翌月7日には、妻節子、長女京子を呼び寄せ、あの青柳町の新居へ。8月2日には老母を迎えに野辺地へ。妹光子も小樽から戻ってくる…「函館の青柳町こそかなしけれ/友の恋歌/矢ぐるまの花」。私たちが函館の啄木としてよく知っているような姿が少しずつできあがってくるのは、じつはこの六月。
 

 
 
弥生尋常小学校の女教師たち(右から二人目が橘智恵子)