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啄木転々
 
 
石をもて追はるるごとく
ふるさとを出でしかなしみ
消ゆる時なし
 


五月の函館
 
 

 明治40年5月5日、青函連絡船陸奥丸から函館の埠頭にひとりの青年が降りてきます。石川啄木、この時22歳。ここから、函館〜札幌〜小樽〜釧路と続く北海道漂泊の一年間が始まるのです。しかし、この時の啄木は、まだそんなことは思ってもいません。苜蓿(ぼくしゅく)社の人々に暖かく迎えられ、これからの函館の生活に胸を躍らせています。『紅苜蓿(べにまごやし)』同人・沢田天峯の世話で函館商業会議所の臨時雇の職も決まり、今までの岩手県渋民村での苦しかった思いも徐々に薄れて行くようです。

 なにもかもがこの渡道の賭けに踏み切ったことで好転して行くと思われました。

 

 
 
啄木と苜蓿社同人