社は新築の大家屋にて、万事整頓致居、編輯局の立派なる事本道中一番なる由に候、活字の如きも新らしきもの許り三十万本も有之、六号だけにて九千本と申候へば、資本の潤沢にして景気よき事御察し下され度候、資本主は山県勇三郎氏にて、同氏の令弟なる当地中村組の中村定三郎氏の手許より請求次第金はいくらでも出る次第に候、実際の理事者にして社長の名義を出し居るは白石義郎といふ道会議員にて、財産もあり又釧路新聞をも持ち居る人に候、年に一万位は捨ててもよいといふ道楽半分の新聞とは面白く候はずや、野口雨情君も入社せられ侯、至極温厚にして、謙遜家としては日本一なるべく、天下一の好人物と保証仕候、 初号は十五日に(二十頁以上)発行、同日披露会をひらき、一週間休刊、廿三日より毎日六頁にして出す筈に候、鉄道の無賃乗車券下付になり候はゞ、時々函館に遊びにまゐるべく侯、 |