三月十四日


 

 夜、歌留多会を開く。来会者、小泉、横山、羽鳥、野村、高橋、平尾、佐藤、と僕。久し振で腕は鈊つて居たが、自分が一、佐藤が二、横山が三。男許りで騒いでる所へ梅川が来て、遂々一の株を奪れた。

 女は一番遅くまで残つた。僕も横山も眠さうな顔したので三時半やうやう帰る。

 


※テキスト/石川啄木全集・第5巻(筑摩書房 昭和53年) 入力/新谷保人

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