二月二日


 

 愈々今日の日曜は我社新築落成式だ。早朝出社して、編輯局を装飾するやら、福引の品物を整理するやら。

 日景君から借りた羽織袴を着る。一時頃から来賓が来た。予は先発隊となつて宴会場なる喜望楼に行き、席を作つて準備して居ると、四時に開会。来会者七十余吊に芸妓が十四吊。福引は大当りで、大分土地の人を覚えた。九時散会、小新の室で飯を喰ふて帰れば十一時。

 堀田秀子氏へ手紙かいた。

 


※テキスト/石川啄木全集・第5巻(筑摩書房 昭和53年) 入力/新谷保人

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