一月二十三日


 

 今夜、佐藤氏の宅から此洲崎町一丁目なる関下宿屋に移つた。二階の八畳間、よい部屋ではあるが、火鉢一つを抱いての寒さは、何とも云へぬ。

 


※テキスト/石川啄木全集・第5巻(筑摩書房 昭和53年) 入力/新谷保人

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