九月十八日 秋雨


 

 本朝紙面第一頁には予が秋風記をのせ、又北門歌壇を載せたり、歌壇は毎日継続すべし。

 函館なる橘智恵子女史外弥生の女教員宛にて手紙かけり、

日向(幸七)操、遠山いし、森山けん、疋田梅井、高橋すゑ(相生町三九、)、)

 夜、校正を和光君に頼み、向井小林諸君と市中を散歩せり、

 せつ子より小樽発のハガキ来る、函館を十六日夕出立せしが、停車場までは岩崎並木大塚の諸君及びお幸ちゃん秀ちゃん、吉野の潔さん等見送りくれし由、諸友の厚意謝するの辞なし

 神戸なる丸谷喜一君より来状、

 


※テキスト/石川啄木全集・第5巻(筑摩書房 昭和53年) 入力/新谷保人

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