二二三 十一月十四日小樽より 沢田信太郎宛


 

戦況第二報

万歳! 万歳! 万歳!

本日社長来り決定せり、但し○は初めから高いよりはアトで月に二度でも、三度でも上げるからと云ふので当分三五円也。何卒当分だけ我慢願ふ

出来る丈け早く赴任セラレヨ

アタマは明日宣告をうくべし

残党は二三日中

万歳/\

  十四日午後四時           啄木

 天峰兄

 


※テキスト/石川啄木全集・第7巻(筑摩書房 昭和54年) 入力/新谷保人

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