二一八 十月二十六日小樽より 宮崎大四郎宛


 

朝八時に出社、昼飯と夕飯は編輯局で喰ふ、世の中が馬鹿に急がしい、

天長節には一しよに一つ飲む事、待たるゝ/\、今夜当直一時頃でなければ帰れぬ

今朝初雪、紅葉と雪のダンダラ染は美しい、窓外霙の声あり

  二十六日夜十一時

               小樽日報社 石川啄木

 宮崎大四郎様

 


※テキスト/石川啄木全集・第7巻(筑摩書房 昭和54年) 入力/新谷保人

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