紙面刷新予告
 
 
 
 本紙発刊以来茲に号を重ぬる事二十有九、創業多年の秋既に去りて社業基礎漸く堅く工場の整理亦完たきを告げむとし、印刷機の着荷を待ちて紙面を拡張し六頁とせんとするの期遠からざるに至れり。丁未の残日僅かに三旬余、創業紀念の歳暮れむとすると共に本紙活動の日は刻々に迫り来る。茲に記者を増聘して我が編輯局裡亦多少の目新し以て来るべき活動に一歩を進めむとす。若し夫れ刷新後の本紙の如何なるかは吾人敢て茲に贅するの要を認めず。願くば之を次号以後に見られよ。
  十一月二十三日
                              編輯局一同
 
(小樽日報 明治40年11月23日・第29号)

 

  底本:石川啄木全集 第8巻
    筑摩書房
    1979(昭和54)年1月30日初版
 

  入力:新谷保人
  2003年12月23日公開