スワン社HP Northern songs 2001年5月4日号


 昔から、半ば冗談めかして「横田めぐみさんをとり返すには金正日か正男の拉致しかないだろう!」と言っていたのだが、まさか、その金正男をとっつかまえる時が来るとは思いませんでした。だからこそですが、この、二度とはないチャンスを棒にふってしまった小泉や田中真紀子を私は絶対に赦しません。なぜ身体を張らなかったのだ!
 
 
 
日本攻撃の口実を与える危険はありませんか?
《影とのたたかい 2001年5月4日号外》
 
新谷 保人
 

 
日、金正男を中国に追放 (朝鮮日報 2001.5.4)

 今月1日、偽造旅券を所持し日本に不法入国しようとして身柄を拘束された朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男の金正男(キム・ジョンナム/30)が、日本政府の国外退去処分により4日午前日本を離れ中国・北京に到着した。
 金正男の家族と保母と見られる女性2人と男児1人の4人を乗せた成田発北京行の全日空機は、同日午前10時45分、成田空港を離陸、午後1時20分(韓国時間午後2時20分)、北京の首都空港に到着した。これには日本の外務省と法務省の関係者が同行した。
 金正男らは、同機が首都空港に到着するとすぐに降りて、北朝鮮大使館が滑走路に待機させていた車に乗って急いで空港を出た。
 これに先立ち、金正男一行は身柄を拘束されてから3日間収容されていた茨城県の東日本入国管理センターからマイクロバスで成田空港へ向かった。金正男らが国外退去させられ成田空港で飛行機に乗り込む姿はテレビで生中継された。
 金正男らは5日午前、北京発平壌(ピョンヤン)行の高麗(コリョ)航空機で北朝鮮に戻る予定だと、共同通信が中国公安当局者の言葉を引用して4日報じた。
 一方、小泉純一郎首相は4日、金正男を中国に国外退去させたことと関連して、「法律に基づいて適切な措置を取った」と明らかにした。
 小泉首相はこの日記者団に対し、「今回の出来事は、法的手続きの範囲を超えないようにするという方針に基づき適切に対応した」と述べたと共同通信が伝えた。小泉首相のこのような発言は、一部与野党議員が今回の国外退去について主権国家としての任務の放棄だと抗議している中、出されたものだ。
東京=朴正薫(パク・チョンフン)特派員 東京=権大烈(クォン・デヨル)特派員 北京=池海範(チ・ヘボム)特派員
 

(「北朝鮮・拉致問題」掲示板より引用させていただきました。)
 

 忘れないためにも、事実経過を。
 「金正男らしき男」などというマヌケなことを言っていたのは日本のマスコミと政治家だけでした。韓国のプレスは、はっきり「金正男」と書いています。そして、過去に何回も密入国歴があるような人間の「ディズニーランド」云々発言を真に受けたのも日本のマスコミだけだったでしょう。(いったい大学で何勉強してきたものやら…)
 この時期に出てきたのなら、おそらくは、今回のアメリカ〜日本の政権交代に伴って起こった日本の「金蔓」たちへの視察・偵察・挨拶まわり・顔つなぎでしょう。私は自民党政治には素人だけど、それでも、そんな推測くらいはしてみます。あの「家族」然とした4人だって、調べてみないことにはわからないんじゃないのかと思っています。あの組み合わせを見て、一目で「ディズニーランド観光の金正男一家」を信じ込んだジャーナリストは、ほとんどジャーナリスト失格のバカだと私は思いますね。

 

 
金正日と金正男/パスポートの金正男
(「NORTH KOREA TODAY」より引用させていただきました。)
 


 あと、忘れないで注記しておかなければいけないこととして、この連中が空港で身柄を拘束されたのは5月1日なのですが、このニュースがテレビなどで報道され始めたのは3日の昼のニュースあたりからだということです。だから、「救う会」が単独で(「家族会」と連絡をとっている時間もなかった…)外務省へ金正男の逮捕・取り調べ要請を持っていったのが3日の夜。
 そして、金正男の成田離陸が翌4日の朝10時なので、おそらくは、3日のマスコミ報道ブレイクのあたりで「これはやばい!」と判断した議員や小役人がいたということなのでしょう。3日から4日にかけて、小泉や外務省の「国外退去処置」に賛同の意を表した議員、ちょろちょろ官房室なんかを出入りしていた議員はすべて怪しいと私は考えています。あるいは、この期間だけ、口を閉ざしていた外務大臣・田中真紀子とか野中広務も、いつもの役回り(政治漫談)とはちがっている点で、当然、疑いを免れないでしょうね。

 あと、特筆すべきは、4日の夜を境に、新聞・マスコミの論調が明らかにトーンダウンしたこと。4日の時点まででは、さすがにマスコミもこの4人の「ディズニーランド観光」発言を100%真に受けたわけでもなく、「金正日の後継者争いに負けた金正男」とか、それによって発生した「金正男の亡命失敗」説などが識者の間からは飛び交っていました。
 しかし、この方面の追求は、5月5日を過ぎると急速に萎んで行きます。「幼児化」とでも言えばいいのでしょうか、意図的に「ディズニーランド観光発言を100%真に受けたマスコミ」という役回りに撤退しつつ、ワイド・ショーの馬鹿騒ぎの中で国民の怒りのエネルギーを消費し尽くしてしまおう…といった動きに見えました。
 このような情報操作は、一方で、小泉政権や田中外務省におかしな期待感を持たせることにつながっていますし、また一方では、後述する「一般人」のような、国民の「政治評論家」化につながっています。つまり、政府がこれほど無策で事なかれなのはおかしい…なにか北朝鮮と裏取引があるのではないか…もしかしたら拉致問題の解決は早期に進展するのではないか…といった見方です。もちろん、これは、国民の間に「早期に解決してほしい」という願望が無意識にあるからこそ生まれてくる期待感なのですが。

 

 はたして、どうなのでしょうかね。私には、河野洋平や野中広務の苦悩している風の(でも何にも苦しんでなんかいない)顔が浮かんできて、もう、たくさんだ…という思いしかないですけれどね。小泉内閣だって同じことではないですか。「拉致問題の解決」なんて普段から全然頭にないからこそ、「金正男」は使えないカードなのだし、使いこなせないカードである以上は、ボロが出る前にお引き取り願った方が得策だったということでしょう。

 もう、いい加減に、北朝鮮からどれほどの金が「日朝友好」の議員や党派へ流れているのか内部から暴露する政治家なりジャーナリストなりが出てきてもいいのではないか。やるべきことは、これひとつです。

 愚かな新聞記者と愚かな政治家…
 
 


5.4時事:首相動静@小泉発言 投稿者:軽視総監 投稿日: 5月4日(金)19時54分08秒

「金正男氏とみられる男性を中国に送還したが、ほかにも選択肢は有ったのではないか」
「民主主義国家の日本として法的手続きをきちっとやりなさいと、法律に基づいて適切な措置を考えるべきだ。これは一貫して揺るがないということでこういう結果になったんだと思います」
「金正男氏本人と確認したのか」
「確認はされていないというふうにわたしは聞いている」
「北朝鮮に拉致(らち)された疑いのある関係者からは確認してほしかったとの声があるが」
「その問題とは別ですよ、今回は。拉致家族に対してはこれまたきちっとやらんといかんし。今回の問題とはまた別の問題だ」
「日朝関係に与える影響は」
「それはまだ確認されていないと聞いているからこれからの状況、日朝関係の進展については努力していかなければならないが、今回の問題が果たしてどういう影響を持ってくるかはしばらく時期をみないと分からないのではないか」
「金正男氏との疑いがあるなら確認してから行動を起こすべきではなかったか」
「そういう意見も有ると思うが、法的手続きに落ち度がないようにきちんとやるべきだという方針に基づいて、今回このような適切な措置がとられたとわたしは理解している」
 

(「北朝鮮・拉致問題」掲示板より)
 

 日本の新聞記者は、子どものお使い? 「北朝鮮に拉致された疑いのある関係者からは確認してほしかったとの声があるが…」なんて質問をしていて恥ずかしくないものだろうか。八方手を尽くして足で調べて「確認」や「証拠」を取ってくるのは、君たちジャーナリストの仕事じゃないのか。

 愚問愚答はまだ続く。

 「法的手続き」を言うのならば、過去に何度も密入国の疑いのある北朝鮮の政府要人を現行犯でとり押さえたのですから、当然、身柄を拘束して侵入目的・進入経路・国内での手引き者(団体)をとり調べることの方が「法的手続き」に決まっています。そうやって、今まで、北朝鮮からの麻薬・覚醒剤や工作スパイ船を取り締まってきたんじゃないんですか。
 

 支持率が80%以上とのことだが、小泉や田中が無能ならば、それに見合った形で国民も無能であると感じましたね。なにが、「妥当な措置」だ…
 
 


妥当な措置 投稿者:一般人 投稿日: 5月4日(金)18時49分37秒

金正日に、「この人はあなたの息子ですか?」と聞いて、素直に認めると思いますか?
否定するに決まっています。
否定された後、どうしますか?
情報がないから日本で「金正男」と特定しようがありませんね。
本人がハッタリで自称してるだけかもしれないし。
尚もその金正男と見られる男を人質にして、「拉致した人たちを返せ!」と言い張りますか?
それともそのままこの男を日本国内に閉じこめておきますか?
いくら相手が非常識な国家とはいえ、それではこちらも同じことをしていることになりませんかね?
日本攻撃の口実を与える危険はありませんか?
拉致されたみなさんのご家族の気持ちはわかりますが、政治や外交とは総合的な判断力が求められるものだと思いますので、今回はやむを得ない妥当な措置だったと思いますよ。
こんな胡散臭い男を利用するせこいやり方より、きちんと正面から外交に取り組んで欲しいものです。
ただ、政府にはきちんと事情を説明する義務がありますね。国民に向けて。
その点に欠けているのは否定できないと思います。

 

(「北朝鮮・拉致問題」掲示板より)
 

 前半の、「日本攻撃の口実を与える危険はありませんか?」までの論理展開を読んでいて、あまりの情けなさに笑い出してしまいました。この弱虫…「金正男」を前にして、なにをおどけているんだ。
 この若者(だと思う)の「金正男と特定できない」加減が、私にはとても興味深い。論理展開の滑稽さが、今の日本人全体を覆っている孤独さをひたひたと感じさせる。本当に何ひとつ大事なことは大人から教えてもらってないんだね、今の人って。
 金正日に聞く?
 この男を人質にして「拉致した人たちを返せ!」と言い張る?
 この男を日本国内に閉じこめておく?
 もしも外務省が、こんなストーカーや金嬉老ばりの外交手段を展開したら、さぞや痛快だろうと私も思うけれど、そんなマンガみたいな国は(北朝鮮以外には)世界中ないんですよ。金正日と同程度の知能みたいですね。

 ひとしきり大笑いした後で、言いようのない悲しみが襲ってきます。このセリフ、ちょっとでも「拉致された日本人を救出する」運動にかかわった人たちならば、誰でも知っている、一度ならず経験したあの言葉なのです。曰く、「拉致の証拠はあるのか?」と。
 私も、ある時は「証拠はいくらでもある!」とムキになって答えたこともあります。また、ある時は、こんな連中と同じ国に暮らしていることに吐き気を催して、「平壌行って寺越武志さんに《あなたは拉致されたんですか》って聞いてみりゃいいじゃねえか」と突き放したこともありました。このうす汚い言葉の裏にまとわりついている卑怯な日本人の心根。

 それではこちらも同じことをしていることになりませんかね?

 なにが「同じこと」なんだ! 国交のない北朝鮮から密入国してくるスパイを取り調べることと、侵入した北朝鮮工作員が日本人を拉致誘拐していったことのどこが「同じ」なんだ。こんなに常軌を逸した言葉をいけしゃあしゃあと吐いていることに全然気がつかない無知蒙昧。
 なにより最悪なのは、この人は、自分が「拉致問題」とは関係がないと思っていることだ。たしかにあなたは横田めぐみさんを「拉致」はしていないかもしれない。けれど、横田めぐみさんが二十四年間未だに帰ってこれないのは、日本中、あなたみたいな厚顔無恥で溢れかえり肥え太ったからだ。

 日本攻撃の口実を与える危険はありませんか?

 「日本人拉致」はれっきとした「日本攻撃」だろうが…北朝鮮は「朝鮮戦争」の50年前から戦時中ですよ。
 

 今回の「金正男」みたいな出来事も世の中には起こりえるんだ…という意味では、次のようなことも口にしておいた方がいいのかもしれないと思った。

 拉致された日本人が「生きて」帰って来られるのならば、あらゆる方法が試みられて当然だと私は考えます。「生きて」という最低限の条件がつきますが、その条件を満たすことができるのならば、「自衛隊派遣」も、「クーデター支援」も、「外国の特殊部隊投入」も、「経済封鎖(送金ルート破壊)」も、「海上封鎖」も、どんな方法でも試みられてしかるべきです。拉致された人たちにも、拉致された家族にも、残された時間はあまりにも少ない今、あらゆる試みは直ちに始められなければならない。

 「一般人」… こういう、日本の一般人が思い描いている「きちんと正面から外交に取り組む」という言葉が、いったい何をイメージしているのか私には全然わからない。「ピースボート」のようなことを思っているんでしょうか。アジアの若者が船で宴会交流をすれば、拉致された日本人も帰ってくる? 「金大中」でしょうか。3日間だけホテルで離散した北の親兄弟とお話しできる?(しかも検閲官付きで…) こういうことを「姑息」と言うのではないですか。こういうことを「正面」と考える人はいない。
 「正面からの外交」というのは、つまるところ、唯一の拉致被害者救出の成功事例である「レバノン」のような国のことをさすしかないでしょう。(私たちの場合は、アメリカや西欧の国の外交とはちがう。拉致被害の当事国なのだから。) その「レバノン」のやった外交とは、国交断絶はもちろん、軍事的なプレッシャーも当然ありの「外交」交渉です。さらに、その水面下では、当時の左翼勢力を通じた人質奪還の裏交渉もやっている。「総合的な判断力」のすべてを駆使してやっているのですよ。
 こういう「外交」ならば私は支持します。一刻も早く始めてほしいと思う。そして、微力だけど、私もできる限りの協力をしようと思う。

 

 二十四年前の新潟の夜もこういうことだったのではないか…と思わせる、今回の事件だった。数日前から北朝鮮の不審な無線が飛び交うのを傍受していた海上保安庁。でも、傍受していただけ。事件の夜、新潟県警が市内や海辺をいくら捜索しても、もう「めぐみさん」は出てこないことを公安警察は知っていたのではないか。結局、こうやって、目の前で「犯人」がまんまと姿を消してゆくのをむざむざと見送ってしまった。
 まことに、誰かが言った通り、一度目は悲劇として、二度目は喜劇として歴史は繰り返した。あの、猪豚の顔を二度と私は忘れないだろう。あの、見るからに奴隷のようであった無言の女たちの表情を私は忘れないだろう。「お笑い北朝鮮」で幕が下りた分、私たちの悲しみは深い。私たちもまた、目の前で、みすみす横田めぐみさんたちをとり返すチャンスを見失ってしまった。深い嘆きの念で、これを書いている。

 
 

 

■一昨年のコメ50万トンの食料「人道」支援に賛成した人たちは、結局、その食料は北朝鮮の人民の口には入らず(中国に流出する難民の数は全然減っていないから…)、正男の一万円札がぎっしり詰まった厚さ3pの財布となって結果したことを見たでしょう。愛人だか保母だかのルイ・ヴィトンのバッグや指輪になってしまったことを見たでしょう。おかげさまで、30歳にしてあの「猪豚」の身体。側にいた、あのコロコロ太った「子豚」。「人道」の名の下にどういうことが行われたのか、これでもわからない(わかりたくない)人は悲惨な人だ。

■1200億円。あの「コメ50万トン」の値段は、1200万円じゃない、1200億円だったんですよ。(まったく!200万円の「インターネット版」を設置するまでに足かけ3年もかかった努力がむなしくなるような数字だ!誰だって、真面目に額に汗して働くのがバッカバカしくなってくる数字ではあります。) 1200億円の日本の国民の血税が北朝鮮に動いた。金正日が何割取って、「人道」の美名の影でちょろちょろ動いた日本側の議員や学者のバックマージンが何割だったかは私にはわからないけれど。それぞれ末端の小役人まで行き渡って、それぞれ厚さ3pくらいの財布にはなったということでしょうか。一般人!これで、少しは「金正日」たちの正体がわかったですか?まだ、わからない?

■あの「猪豚」のお姿を拝見しても、まだ「北朝鮮」信仰を捨てることができない可哀相な日本の知識人たちに(特に東大名誉教授・和田春樹に)本を2冊紹介したい。
北朝鮮泣いている女たち 李順玉著 李洋秀訳 (KKベストセラーズ 1997.10)
北朝鮮絶望収容所 安明哲著 池田菊敏訳 (KKベストセラーズ 1997.5)
たまには本でも読んで勉強したまえ。今回の事件についての識者コメント中、6日の新聞に出ていた和田春樹の「北朝鮮社会は義理で動く一面もあるので、表向きは何の反応もなくても日本に借りができたと考え、先々の日朝関係や国交正常化交渉によい影響を与える可能性も」という発言には心底たまげた。じゃあ聞くが、「義理堅い」人が住んでる人民民主主義社会に、なんで「収容所」なんてもんがあるんだよ。(ホントに、こいつのどこが東京大学の名誉なんだ…)

■20世紀を象徴する残酷な発明品、「収容所」。アウシュヴィッツ収容所やヒロシマ原爆に戦慄する日本の先生たちは、もう少し現実に目をひらいて、今、私たちが生きている時代にある「収容所」や「核」に目を向けてほしいと思う。今、私たちが生きている時代にある「奴隷制社会」の話を語ってほしい。愚かな為政者に殺されないために、私たちは今こそ真の知識が必要なのだ。今日を生きてゆくための正確な知識が必要なのだ。そして、そこのペットボトルぶらさげた茶髪!おまえがぐうたら飲んでるウーロン茶は、テレビに出てくる中国福建省の娘さんが作ったもんじゃないんだよ。陽気なカンフー老人が作ったもんじゃないんだよ…

■歌手の因幡晃さんが「横田めぐみさん」のことを歌ったCDシングル『めぐみ/銀河』を4月25日に出しました。因幡晃さんの公式ページhttp://www.zetima.co.jp/artist/AkiraInaba/

■今回の『Northern songs』は、5月3日夜の「金正男拘束」ニュースに反応して、急きょ、連休最後の4〜6日の間に作られました。当初は、連休の時間を使って『SWAN』を更新したり、『柔らかな頬』の次に「田口ランディ」の本をとりあげようかとか考えていたのですけれど。テレビであの「金正男」の顔を見ていたら怒りがこみ上げてきて、つい作ってしまった。(こんなことしかできない自分が悲しいです…) その後、さまざまなサイトで発言や裏情報が流れていますが、読んでいると頭が混乱してくるので早めにアップすることにしました。基本的には、結果がわかってしまった場所からの、自分の身にリスクが及ばないことを確認してからの、安心しきった発言などに何か価値があるとは思いません。(自戒を含めて…)

(ここまで、5月10日稿)
 

(ここから、5月15日稿)

■「よど号の娘たち」が帰ってくるのだそうだ。昨日(14日)の深夜あたりのテレビ・ニュースあたりから、平壌出発前の家族映像が出るようになった。といっても、田宮高麿は死んでいるし、田中義三も日本で獄中。テレビに映っているのは小西隆裕・福井タカ子の夫婦とその娘、田宮・田中の娘たちといった面子だった。まあ、この辺までが、まず第一陣として出してみて「安全牌」とふんだのだろう。この辺が日本の世論にスンナリ通れば、その内、黒田佐喜子(若林の妻)や森順子(田宮の妻)なんかも素知らぬ顔で出てくるのだろうか…

■センチメンタルな日本のマスコミ。さっそく、道を歩いてる若い子つかまえて「よど号って知ってますか?」なんてやっていたのが14日だった。遠い青春の日々(笑)を懐かしむキャスターたち。まじめにものを考えたことがないまま年とってしまった奴は悲惨だな。これじゃ喜び組ジュニアの「三人娘」にメロメロだね…とか思っていたら、おおっ!なんと「雅子さま」!

■こんな技があったとはね!同日、「ご懐妊」の正式発表。渋谷の街頭インタビューで油売ってたレポーターもすぐさま皇居方面へ大集合でした。もう、「よど号」話題なんて、7時のNHKニュースでも取り上げないし(8時まで時間帯延長したのに)、翌日の朝日新聞でさえも取り上げなかったのには私も少し驚いたです。でも、これで当然でしょうね。「雅子さま」や「イチロー」はOKだが、「福井タカ子」の顔なんか見たくねえ!

■1980年4月、バルセロナの動物園で札幌のIさんと写真に写った「黒田佐喜子と森順子」の顔を見ながらこれを書いています。こうやってIさんや有本恵子さんたちをヨーロッパから拉致したわけだ。拉致した人たちを北朝鮮の収容所に残して、自分の子どもたちだけは「自由往来」だなんてよくも言えたもんだなとあきれはてる。ある意味で、森恒夫や永田洋子ら連合赤軍の連中より非道いもんかもしれない…(私は森や永田だけがおかしな人間だったとは思わない。たぶん、パレスチナでも北朝鮮でも同じことをやっていると思っていますから。)

■半ば冗談ですけれど、私は、「よど号」の連中が第一案の通りキューバへ行っていたらよかったのになぁと思います。そうすれば、歴史は、キューバどころかハワイあたりでもうとっくに捕まった、ただのハイジャック犯で終わったのではないか、とね。そうだったら、金正日は、たぶん「日本人拉致」を思いつかなかっただろう。(今の「金正男」と同じような学力だろうから…)

■金正日はパパが羨ましかったのではないですか。ロシアや中国の頭脳だけじゃない、日本から来た若いタレントまで主席直属で従えて、チュチェ思想の大義を世界に知らしめる、まるでスタートレックの艦長みたいだ。僕もああいうかっこいい宇宙船がほしいなぁ…ってね。分数の引き算もできないようなアホ中学生頭でも考えられる「現実」とか「世界」って、そんなものだと思います。ちょうど、日本の大学生が知っていた「キューバ」や「北朝鮮」の姿といい勝負くらいの。なんたって、「金日成をオルグする」って北朝鮮に行ったバカたちなんだから。今さら買い被るのはいい加減にしてもらいたい。